言語という無機生命体が奏でる ことばのオーケストラ |
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紀元前180~67年 イリュリア王ジェンテウス はペストに苦しむ領民のため山野に分け入った 神に祈り矢を放つとその矢は竜胆の根にささり それを薬用に用いたという 英名「Gentiana」は王の名から来ている
日本では平安時代おしゃれな花とされ女御たちの衣裳の模様に競って使われた
その衣装の作り手はどのような思いを込め竜胆を描いたのであろうか また 自らをより美しく見せるため その竜胆の衣装をまとった女御達にはどのようなドラマがあったのであろう・・・
花言葉は 「正義」「悲しんでいる時のあなたが好き」「さびしい愛情」
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あらゆる情報と騒音が飛び交う街中を、一人の若い女は定まらない視線で足早に歩いていた。
そしてふと女の視線が止まり、硬かった表情が少し緩んだ。女の瞳には喫茶店の看板が映っていた。
女はその店に入った。
女が押し扉を押すと、来客を教える昔ながらの鐘の音が店内に鳴り響いた。
「カランカラーン。」
先ほどまでの雑多な騒音は、女の後ろの扉の向こうで小さな音に変わっていた。
店内には落ち着いた感じのジャズがかかっていた。
「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ。」偶然入り口近くに居合わせたウェイトレスが言った。
女は店内をちらりと見渡し、一番近い空いている席にコートとマフラーを置くと、店員にたずねた。
「すいません。お手洗いはどちらでしょうか?」
「あちらの突き当たり右奥になります。」ウェイトレスは手のひらを上に向けてこたえた。
「ありがとうございます。」
女が女性用のトイレに入ると、中では大学生くらいの若い女が鏡の前で化粧直しをしていた。
トイレから出た女は席に戻った。テーブルの上にはすでに水が置かれていた。
隣の席では、先ほどトイレで会った大学生風の女が、同じくらいの歳の男と楽しそうに話していた。
女は、ようやくほっとしたような雰囲気で椅子に座った。店員が注文をとりに来そうな雰囲気が無かったからか、バッグのなかから新品の雑誌を取り出し、封を切って読み始めた。
隣の席では、カップルが何かのゲームをしているような雰囲気の会話をしていた。男の方は関西弁を使っているようであった。
「・・・違うって。例えばやな、あの隣のテーブルにある水グラス。あれやったらどうなると思う?もしも正解 したら何でもしたるで。まぁそんなことはありえへんけどな。」
男は、トイレから戻った女の席の方を、本人にはそれとわからないように、横目使いをしてそう言った。
「くー。なんかそんなこと言われたら絶対あててやりたいって思う。でも、駄目やよー。わかんない。」
「まぁまぁそう言わんと、ちょっとは考えてみいな。由起が答えてから正解を変えられへんように、正解を先にこの紙ナプキンに書いとくから。」
そういってその男は、かばんからボールペンを出すと何かを書きとめた。
「わかった?」
「うーんとね・・・あのグラスは実は絶対割れないとか?もしくは光るとか?」自信のなさそうな顔で女はそう言った。
「あかんなぁ。全然あかんわ。全く魅力ナッシング。じゃあな、なんであのグラスにしたと思う?」
「えーちょっと待ってよ。整理してから、よーく考えるから。」
そう言うと、なにやらその女はブツブツと独り言を言い始めた。
「んー無理!ギブアップ。」
「まぁ考えてわかるもんでもないしな。しゃあないから教えたるわ。まずは、あの隣の席の水グラス。あのグラス、俺らの席に来たグラスとちょっとデザイン違うんわかる?」
「あ、そういえば少し違うかも。」
「あの隣の席のお姉ちゃん、来てすぐにトイレに行ってんけど、トイレで会わへんかった?」
「うん。そういえば会ったかも。」
「で、そこで質問。もしも俺が、この待ち合わせ場所に来る前にあのグラスを買ってたとしたら?もしも俺が、由起がトイレに行ってる間にトイレにいってたら?もしも俺が、トイレの水をあのグラスにくんで、あの隣の席のお姉ちゃんのところに置いたとしたら?これどうよ?」
雑誌を見ている女は、一瞬凍ったようにも見えたが、テーブルの上の水は、まだ一口も口をつけられないままの状態で放置されていた。
「嘘でしょー!?」
「さぁどうやろなぁ。まぁそんな話はともかくやな、紙ナプキンに書いた正解を発表しよか。」そういうと男は、先ほどの紙ナプキンを、どうも驚きを隠せないでいる由起と呼んでいる女に見せた。
由起はその紙ナプキンに書かれてある文字を声に出して読んだ。
「あのグラスは、実はイルカと友達だった。・・・なにこれー?こんなの言い出したらキリ無いよー。反則!」
「あほ!何言うてんねんな。最後まで話聞いてからやん。一見、イルカと友達とか言うたら、わけわからんかもしれへんけど、ガラスが何でできてるか知らへんからやわ。珪砂っていうてな、白い砂浜とかにあるあの白い砂からできてんねん。そやから、ひょっとしたら昔は海底にあったかもしれへんねん。そう聞いたら、イルカと友達って聞いてもなるほどって思うやろ?」
「ふーん。でも確かにそうやって聞くと、どこかちょっと素敵な話だね。」
「でっしょー?まぁ、結局まとめるとやな、これがまぁ人を話しに引き込むテクってやつやな。隣のお姉ちゃんかって、耳おっきなってるっちゅうもんや。」
「そんなことはわからないでしょ。」
「そやけど、雑誌のページは全然めくってへんし、グラスの水にも口つけてへんのは偶然とは思わへんけどな。」そう言ってその若い男は、伝票を持って席を立った。